歌うように、伝える。



雑誌や新聞などにある広告、その広告デザインのクオリティが高ければその雑誌や新聞の価値は上がる。といっても、その雑誌や新聞が売れていないとクオリティが高い広告、いい広告主はつかない。逆にいうと広告の質が悪い雑誌や新聞は売れていないということになる。広島の街にある看板なども同じように考えられる。街で見かけるその一つ一つの広告デザインのクオリティが高ければ、広島という街のブランド価値は上がるはず。そんなことも考えながらデザインする。

街で目にしたデザインや広告をみて、デザインって面白いな、広告って楽しいな。と、一人でも多くの人に思ってもらえるようなことをし続けたい。目にしたデザインがきっかけで将来デザイナーを目指したいと思う子どもがいるかもしれない。企業の担当者が積極的に広告をだしたいと思うようになることもあるかもしれない。街には様々な広告物がある、ビルボード、駅などのデジタルサイネージ、ポスター、電車やバスのラッピング、それぞれの媒体やグッズにハマるアイデアとデザインがきっとある。そんなことも考えながらデザインする。

情報収集→情報整理→コンセプトの立案→ビジュアルラフ…。仕事の種類、業種は幅広い。その都度お題は違う。ちょっとしたチラシから、今後の生き方を決めるロゴやキャラクターをデザインすることもある。

ロゴやキャラクターデザインの依頼を受けた時は、ご依頼いただいた会社の現状とこれからのビジョンを簡単にお伝えいただき、(なるべく客観的な視点で考え、意見したいのであまり聞きすぎない。)その日からほぼ毎日その会社のことを考える。プレゼンできる状態になるまで毎日毎日、できたものを時に寝かせたり、調整したりを繰り返しながら。その会社のことを誰よりも考え、その会社だからこその言葉とカタチがみつかるまで足したり、引いたり。これだという案を含めて最低3案(3方向)、全く違う見え方で考える。1案だけを研ぎ澄ますより3案つくった方が全体のクオリティは必ず上がる。3案つくることで気づきも増え、それぞれの案がよりよく研ぎ澄まされていく。基本的には言葉ありき。もちろん思いつきでカタチが先に浮かぶこともある。ただそれだけではプレゼンできない。そこに言葉がないと想いは伝えられない。

プレゼン当日、まずは、こちらの考え、想いを一方的に伝える。約40ページくらいの企画書をベースにお話しする。プレゼンする相手は決済権のある方、なるべく社長にプレゼンする。企画書はメールなどで送れるほどそんな軽いものじゃない。重すぎて(想いがありすぎて)メールでは送れない。オンラインなどでのプレゼンは、自分の声がどれくらいの大きさで相手に伝わっているのかわからないのでやりにくい。何より肝心なところで途切れる。言葉とカタチの計算を繰り返し、時間をかけて答えを導き出したこれからの生き方に関わるものだからこそ、きちんとじっくりと伝えたい。自社でプレゼンする時は相手の座る位置、見える景色まで考える。そして、ゆっくりと想いを込めて、歌うように、伝える。迷いはない。少しの不安はある。ただほとんどの場合、提案した3案のうちこれだと思っているものに決まる。他と見比べるものがあるからこそ決まるとも思う。


2021.3

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